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ボツリヌス(ボトックス)療法

当院では、脳卒中の後遺症としてみられる運動障害のひとつである痙縮症状に対し、ボツリヌス療法を行っています。

 

診療申し込みについて

ボツリヌス療法を希望される方は、

リハビリ外来(木曜日)「14:00〜16:00」を受診してください。

医師が患者さんの症状を判断した上で、別途ボツリヌス療法(痙縮外来にて実施)の治療日を決定します。

*初診当日には治療できませんのであらかじめご了承ください。

診療担当:痙縮外来(木曜日 14:00〜16:00)
     担当 リハビリテーション科 風呂谷 容平 医師
問い合わせ : TEL 073-447-2300(代表)
窓口(外来): リハビリテーション科外来

 

リハビリテーション科はこちら

http://www.wakayama-med.ac.jp/hospital/shinryo/rehabilitaion/index.html

 

ボツリヌス療法

〇痙縮(手足の筋肉のつっぱり)とは

脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに痙縮という症状があります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が勝手につっぱったり曲がってしまったりしてしまう状態のことです。痙縮では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまう(歩くと痛い、装具がつけにくい)などの症状がみられます。

痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮そのものがリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮を治療することによりリハビリテーション(ストレッチ含む)がしやすくなります。

図1 図2 図3

 

〇痙縮(手足の筋肉のつっぱり)の治療について

現在、痙縮の治療には、内服薬、ボツリヌス療法、神経ブロック療法、外科的療法、バクロフェン髄注療法などがあります。患者さんの病態や治療目的を考慮して、リハビリテーションとこれらの治療法を組み合わせて行います。

 

〇ボツリヌス療法について

図4ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働き を抑える作用があります。そのためボツリヌストキシンを注射すると、筋肉の緊張をやわらげることができるのです。 ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。この治療法は世界80ヵ国以上で認められ、広く使用されています(2014年1月現在)。

 

〇ボツリヌス療法の効果について

ボツリヌス療法によって次のような効果が期待できます。

①手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなることで、日常生活動作が行いやすくなります。

(食事や手洗い・着替えがしやすくなります。装具がつけやすくなり歩きやすくなります。)

②リハビリテーションが行いやすくなります。

③関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます(拘縮(こうしゅく)予防)。

④手足の筋肉のつっぱり(痙縮)をやわらげることにより、痙縮による痛みを緩和する効果が期待できます。

⑤介護の負担が軽くなります。

図5

 

〇ボツリヌス療法のすすめかた

ボツリヌス療法の効果は、注射後2~3日目から徐々にあらわれ、通常3~4ヵ月間持続します。その後、数週間で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。ただし、効果の持続期間には個人差があるので、医師と症状を相談しながら、治療計画を立てていきます。

図6

 

〇ボツリヌス療法の具体的な治療方法・注射部位

痙縮(けいしゅく)のみられる筋肉に注射します。注射部位は患者さんによって異なりますが、一度に数ヵ所、注射する場合もあります。治療時間は約20分から30分くらいです。

~手の注射部位~

図7

~足の注射部位~

図8

 

〇ボツリヌス療法の副作用・注意点

ボツリヌス療法を受けた後に副作用として次のような症状があらわれることがあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合には医師に相談してください。

1.注射部位が腫れる、赤くなる、痛みを感じる

2.体がだるく感じる、力が入りにくい

 

〇ボツリヌス療法の治療費

上肢・下肢痙縮の治療は保険が適応され通常1割~3割負担で治療が受けられます。注射を行う部位や、範囲によって費用が異なります。また公的支援制度の助成により、ご自身の負担が軽減出来ることもあります。